雇われない働き方を考える -「複業」をする- という過去記事で、現金支出を少なくすること、自給自足的な生活をすること、について考えました。
この考えのヒントになったのが、「ナリワイをつくる -人生を盗まれない働き方-」という本です。
個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのではなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身につく仕事を「ナリワイ」(生業)と呼ぶ。
これからの時代は、一人がナリワイを3個以上持っていると面白い。仕事といえば、就職。つまり会社で一つの仕事をする、という考え方が常識だ。さらに現代では、「生活を犠牲にしてやるのが仕事」という定義も半ば常識になってしまっている。仕事は、自分の時間と健康を切り売りして、マネーと交換するものであると。
でも、それがしんどくなってきた。体を壊して、会社をやめる人は少なくないし、私の知人友人でも「うつ」や過労で会社を辞めた人が10以上出てしまった。
どうも、これはおかしい。
いまだに、キャリアコンサルタントと名乗る人がメディアで「人生の大半を占める仕事なのだから、ちゃんと選びなさい」と就活生へのアドバイスを送っている。だが、その前に考えてほしい。人生の大半を、人生から乖離した仕事に占拠されてしまっていいのだろうか。
著者の伊藤洋志さんも、かつては、ベンチャー企業でハードな働き方をしていたそうです。
「生活を犠牲にした仕事に人生を奪われてしまっている、それっておかしくないか?」という問いかけをしています。
現在、「新しい働き方」として提唱されているのは、これからさらにグローバル化が進み競争が激しくなる。だから世界に通用する高いレベルで能力を磨き、自分自身を広告的に宣伝し、稼げる仕事をしていこう、おおよそこんな考え方が大半ではないか。グローバル社会で全世界を相手にした殴りあいの競争をして健康が実現できるのは、かなりのバトルタイプ(戦闘型)だけだ。
本書で述べる「ナリワイ」の作成は、そうではない。でかい仕事は、バトルタイプの戦場だ。隆盛を誇った巨大ウェブサービスが数年で衰退したという事例を現代に生きる私たちは目の当たりにしている。「ナリワイ」は、そうではなく、小さな仕事を組み合わせて生活を組み立てていく。つまり、恐竜ビジネスモデルから微生物ビジネスモデルへの転換を図ろうというものだ。
本書には、「バトルタイプ(戦闘型)」という言葉がよくでてきます。
著者の伊藤洋志さんは、(干支がひつじ年なので)バトルタイプではない、と悟ったそうです。僕もひつじ年で、やはりバトルタイプではないです。(^^;)
厳しい仕事はバトルタイプに任せておいて、非バトルタイプの我々は、健康に、支出を抑えて、自分の頭で考えて、ゲリラ的に、必要なお金を「ナリワイ」で手に入れればよいのではないか、という提言がされています。
そして、本書には「自分でつくる」という重要なテーマがあります。
長くなったので、次回に続けます。
コメント
講演会へも行きましたが、塩見直紀さんの「半農半X」の考えはいかがでしょうか? 書籍もあります。 講演会はなかなか今後の自分の生き方の参考になりました。
ぬまさん、コメントありがとうございます。
塩見さんが書いた『半農半Xという生き方』は、かなり前(10年以上前?)ですが読みました。田舎暮らしを始めた時に影響を受けました。
食べるものを作ったり分け合ったりすることを生活の基本にしたいと考えるのは、塩見さんの影響だと思います。
塩見さんは講演会を精力的にやっているんですね。行ってみたいな。
30代に有機農業に興味を持ちました。 知り合いは地方で実践しています。 10月に「半農半X」の決定版(改訂版)が出版されました。 その出版記念の講演会に行きました。 直接、ご本人の話しが聞けますので、本とは違う感動がありました。 尚、講演会やイベントはたまに参加しています。
ぬまさん、コメントありがとうございます。
決定版というのが出たんですね。良い情報をありがとうございます。