「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」 -「橘玲本」をしゃぶりつくす(2)-

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初めに食いつくのは、2010年に発行された「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」です。

本の帯に「成功哲学」の本、とあったので購入を迷いました。
僕は「こうすれば成功する」とか「自己啓発」的な本を買い漁っていた時期がありました。
読んだ後に実践してみるんだけど、なかなか効果は表れなくて(うまくいかないなぁ・・)と感じ、そのまま本棚の肥やしになってしまう本が多かったのです。

1.本の前書きを読んで気持ちが変わり興味がわきました

自己啓発をしたところで「能力は開発できない」「わたしは変えられない」。
 →ありのままの「わたし」でも成功を手にする方法(哲学)がある
  →その答えは、「伽藍(がらん)を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。」だ。
  
何を言っているのか、さっぱりわかりません。わからないので興味がわきました。

2.「ぼくたちはどうしていつも不幸なのか」

性格や気質もあるとは思いますが、僕は小さいころから「どうして僕は自分を不幸に感じることが多いのだろう?」と自問することが多くありました。

すごく貧しい暮らしをしていたわけではないし、すごいイジメにあったこともないし(多少のイジメは受けたことはあるけど)、友達が全くいなかったこともなかったし、すごく嫌われていたわけでもなかったと思います。
でも、何か不安や不満のようなものを常に感じていて、「幸せな気持ち」をずっと持ち続けたいと願ってばかりいました。

「幸せってなんだろう?」「幸せはどうやれば手に入るのだろう?」は、全人類にとって永遠のテーマなのかもしれないけれど、
「どうして不幸に感じてしまうのだろう?」が、僕にとって永遠のテーマでした。

その答えに対するヒントも見つけられそうな気がしました。

「はじめに」の中に、この本のコンセプトが書かれているので引用しておきます。

この世界が残酷だということを、ぼくは知っていた。

この国には、大学を卒業したものの就職できず、契約やアルバイトの仕事をしながら、ネットカフェでその日暮らしをつづける多くの若者たちがいる。
就職はしたものの、過労死寸前の激務とストレスでこころを病み、恋人や友人にも去られ、果てしのない孤独に落ち込んでいくひともいる。
東京と高尾を結ぶ中央線はいまや自殺の名所で、リストラで職を失ったり、困窮の果てに生きる意欲をなくした中高年によってダイヤは始終混乱している。
小学生がいじめで自ら生命を絶つかたわらで、「品格」を説く老人たちは日本国の莫大な借金に怯え、年金を払えと大合唱している。
いまや誰もがいい知れぬ不安を抱え、グローバル資本主義や市場原理主義を非難し、迷走をつづける政治に不満を募らせている。国家は市場に対してあまりにも無力で、希望は永遠に失われたままだ。

グローバルな能力主義の時代を生き延びる方法として、自己啓発がブームになっている。ぼくはずっと、自己啓発に惹かれながらもうさんくさいと感じていて、そのことをうまく説明できなかった。能力開発によって、ほんとうにすべてのひとが救われるのだろうか。
自己啓発の福音は、次の四つだ。

①能力は開発できる。
②わたしは変われる。
③他人を操れる。
④幸福になれる。

巷にあふれる自己啓発本では、これらの目標に到達するさまざまな技術(スキル)が解説されている。でもここでは、そうしたノウハウの優劣を評価するつもりはない。
自己啓発は、正しいけれど間違っている。ぼくたちのこころが進化の過程でつくられてきたという新しい考え方が、この不思議を解く糸口を与えてくれる。
といってもこれは、脳科学や進化心理学の本ではない。なぜ自己啓発がこれほどぼくたちを惹きつけ、けっきょくは裏切るのか。ぼくたちはどうしていつも不幸なのか。そして、世界はなぜこれほどまでに残酷なのか。その理由を、誰にでもわかるように説明してみたい。もちろん、専門知識はいっさい不要だ。

自己啓発の伝道師たちは、「やればできる」とぼくたちを鼓舞する。でもこの本でぼくは、能力は開発できないと主張している。なぜなら、やってもできないから
人格改造のさまざまなセミナーやプログラムが宣伝されている。でも、これらはたいてい役には立たない。なぜなら、「わたし」は変えられないから
でも、奇跡が起きないからといって絶望することはない。ありのままの「わたし」でも成功を手にする方法(哲学)がある。

残酷な世界を生き延びるための成功哲学は、たった2行に要約できる。

伽藍(がらん)を捨ててバザールに向かえ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。

なんのことかわからない? そのヒミツを知りたいのなら、これからぼくといっしょに進化と幸福をめぐる風変わりな旅に出発しよう。

 
続きます

   
 

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