「早期退職してラクができたら、本当に幸せか?」(1)

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以下は、日本経済新聞からの転載です。
2013年9月の少し古い記事です。(内藤 忍さんの記事です)

僕は当時、自分の興味に合ったタイムリーな記事だなと思って「Evernote」の「WEBクリップ」に この記事を保存していました。
今は、日経有料会員しか読めないようなので、抜粋して掲載します。

 現在、30~40代の働き盛りのビジネスパーソンが憧れるのは、どうやら自由のようです。例えば、最近ネット上で話題になっている働き方は「ノマド」。もともとは遊牧民という意味ですが、組織に所属せず、自分の好きな仕事を好きな時間にやる、フリーな仕事のスタイルを指す言葉になりました。
 また、「アーリー・リタイアメント(早期退職)」にも、多くのビジネスパーソンは夢を持つようです。例えば、雑誌「日経マネー」でも、早期退職を考える人は、資産がいくらあれば何歳でリタイアできるかを具体的に考える特集をして話題になりました。
 会社を辞めて、自分のペースで好きな仕事をしながら生計を立てる。あるいは、仕事を定年前に辞めて、自由に自分の時間を過ごせるようにする。何だかバラ色に見えてくる気持ちはよく分かりますが、行動に移す前にちょっと冷静になって考えてみましょう。

■「ノマド」という縛られた生活
 ノマドライフは、確かに、自分で時間の使い方をコントロールできます。しかし、現実には自分の好きな仕事だけを選んで、生活できるおカネを稼げるのは、極めて限られた人だけです。
 もし自分が選べるほどの仕事の依頼がなければ、こちらから営業しなければなりません。そして、やりたくない仕事も生活のために引き受けざるを得なくなるのです。そんな仕事のスタイルで時間が拘束されてしまうと、ノマドどころか、逆に自由はなくなります。 ノマドで自由を獲得するには、自分にしかできない圧倒的な強みのあるスキルや能力が必要です。しかも、それを維持する覚悟が必要です。単なる憧れで始めてみても、そんなに甘いものではないことが分かると思います。

「40歳定年」という無計画
 今度は、アーリー・リタイアメントについて考えてみましょう。例えば、野田佳彦首相が議長を務める国家戦略会議の分科会が、「40歳定年」で雇用を流動化するという改革案を提言しています。
 60代での定年制では企業内に人材が固定し、産業の新陳代謝を阻害しており、それが国家の成長の足かせになっているというのが導入提唱の理由のようです。
 雇用の流動化が起こり、仕事をしたい人だけが好きな仕事をできる社会が実現すれば、素晴らしいことですが、現実はそんなにうまくいくのでしょうか。
 もし、40歳で定年にできるくらいおカネを早く稼げれば、その後の人生は悠々自適。そんな考え方に、何か違和感を覚えるのです。 ノマドやアーリー・リタイアメントに欠けているのは、長期の視点です。今や人生は80年。目先のことを考えるだけではなく30~40年後まで見据えたプランと行動も必要なのです。そこで、考えておくべきことは、仕事とは何かという根源的な疑問に対する回答です。

「ラクをする=幸せ」という幻想
 好きな時間に仕事をする、仕事をなるべくしないでラクに生きる、というライフスタイルは一見とても幸せなように見えますが、人間とはそれだけで満足できる動物ではないと私は思います。
 引退して悠々自適の年配の方が、会社の後輩から仕事のアドバイスを求められ、喜々としてサポートしていたりするのを見ていて思うのは、人が生きていることに充実感を覚えるのは、自分が周囲の人に必要とされ、生かされているときです。それを実現する手段の1つが仕事なのです。
 仕事の目的の1つは収入を稼ぐことですが、それだけが目的ではありません。せっかく働くのであれば、それが自分にとって楽しく、そして社会に貢献できるものなら、その仕事の価値は何倍にも広がります。
 仕事を辞めて“毎日が日曜日”というライフスタイルは確かにラクかもしれません。しかし、仕事を辞めることは世間とのつながりを失うことにもなりかねません。
 また、ノマドライフに憧れている人の中には、本当に自分のやりたいことがある訳ではなく、単に目の前にある現実からの逃避になってしまっているケースもあると思います。
 ノマドやアーリー・リタイアメントを考えるときには、その先に自分が何をしたいのか長期のプランを明確にしておきましょう。3年後ではなく、30年後を見据えて行動すべきです。
 大切なのは、本当に何をしたいのかを自分自身に問いかけること。目先のことだけを考えて、口当たりのよいプランに乗ってはいけません。

 

まずは、この記事を読んだ時(2013年9月時点)の、僕の感想を正直に書きます。

■「ノマド的な生き方」について
ノマドワーカーへの憧れはあるけど、世の中はそんなに甘くないんだろうな。
現実を見れば、「ノマド」を目指している人だって、強みやスキルが無ければ自由なんて無いんだろう。その通りかもしれない。
僕が、今日、会社の仕事を辞めて「フリー or ノマドワーカー になりました!何か仕事ください!」と言っても、誰も相手にしてくれないだろうな。

■「アーリー・リタイアメント」について
長期の視点なんて確かに持っていないな。自分が80歳になった時のことなんて、あまり考えてなかったな。危ない橋は渡るべきじゃないんだろうな。

■「『ラクをする=幸せ』という幻想」について
確かにラクに生きたいって思っているよな。今のツラい現実から逃げられさえすれば何とかなるだろうって思っているもんな。
このツライ現実から逃げることばかり考えてる。
今逃げられたって、また違う問題が追いかけてくるから、逃げ続けることなんてきっと出来ないんだよな・・・。
すごくツラいけど、今が踏ん張りどころだよな。(って ずっとこんなこと思い続けてるけど・・)

2013年9月時点では、この記事に関して、僕はこんな風に思っていました。

(続きます)

   
 

コメント

  1. 私は3度仕事を辞めました。一度は夢を目指して、二度目は現実を叩き付けられて、三度目はストレスによる体調不良により。現在は二度目の事務所の所長の好意により、大きくなった事務所(現在は会社)へ再就職しました。40代での退職は大変厳しいことを感じました。幸いお客さんの社長が面倒を見てくれると言ってくれたから退職できましたが、それがなければ精神的に病んでいたかもしれません。公務員の友達は休職して週一回精神科へ通っています。今も眠れない日々を送っています。

  2. 正吉 より:

    あおやまのぼるさん
    初コメントありがとうございます。
    僕も公務員の友達さんに近い状況です。ココロを病んでいるのでなかなか前に進めないです。それでもこのままだとこのままなので、這いながら前に進んでいる感じです。

  3. サンタ栄太郎 より:

    こんばんは  私も40歳後半で明日でも会社を辞めたいと思っています。でも妻子がいるので実行に移すことが出来ません。今、会社を辞めて、暮らして行けるか不安です。明日からも会社が始まります。ぼちぼち頑張っていこうと思います。出来る限りです。

  4. 正吉 より:

    サンタ栄太郎さま
    コメントありがとうございます。
    妻子がいるからやめられない。よくわかります。すごく切実ですよね。
    僕はそれでも辞めちゃおうとおもっています。何とかならないかもしれないけど何とかなるかもしれない、と考えています。見ててください。ダメになっちゃったら、、、見ぬフリしてくださいね。

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