「彼は一生ひきこもりになってしまうかもしれない、いや、それよりも悪いことが起きるかもしれない」と考えてしまった -不登校&ひきこもりの物語-

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長男くんの不登校とひきこもりの話、続けて書いていきます。

僕と妻が恐れていたこと

それは「長男くんが一生ひきこもりになってしまうかもしれない」ということでした。

「このままずっと部屋から出てこないかも知れない」

「彼が中年になる歳になっても部屋にこもりっぱなしになってしまうかも知れない」

そんな心配をし始めていました。

ひきこもりが全て悪かと言うと、そうではないよな、という気持ちもありました。

自分の世界の中で、好きなことや夢中になれることを見つけて生きていくことだって出来るはず、と考えることもできます。

何よりも、今の僕が半ひきこもりのような生活をしています。(汗)

でも、ひきこもることを甘く見てはいけないとも考えていました。

僕と妻がもっとも恐れていたこと

それは自殺でした。

春に学校に行かなくなったとき、彼は「楽に死ねる方法を探した」と言っていました。

最悪の事態は、彼が自分で死を選んでしまうということでした。

カウンセラーさんに相談したときや、心療内科を受診したときに、正直に聞きました。

「彼が自殺してしまうのではないか と心配しています」と。

カウンセラーさんは「彼と話してみた限り、その心配は無いと思います。ただ、状況が悪くなっていけば、気をつけなければいけません」と言っていました。

心療内科の先生は「彼に怒りをぶつけたり、彼を責めたり問い詰めたりすれば、突発的にそうなってしまう可能性はあるかも知れません」と言いました。

「たかが、登校拒否くらいで・・」

「たった1か月ひきこもったくらいで・・」

と思われるかも知れません。

でも、心配になってしまう背景が僕ら夫婦にはありました。

数年前、そんなに親密に付き合ってはいなかったのですが、距離的には近い家庭で自殺がありました。

亡くなったのは20代前半の男の子で、中学・高校に通えず10年ほど家にひきこもっていたようでした。

何度か自転車に乗って出かける彼を見たことがありました。優しそうな男の子でした。

どんな生活を送っていたのか、どんな悩みをもっていたのか、彼の両親と付き合いはあったのですが、気の毒で聞くことはできませんでした。

ただ、わかることは、10代の頃は外出する姿を見ていたのに、20代になってからは家を出ることがほとんどなかった、ということです。

もちろん、彼と長男くんとは背景や状況が違うし、性格だって違います。

でも、その事件が僕ら夫婦に与えた衝撃はとても強かったのです。

ひきこもる状態が続くと取り返しのつかない事態になることもあるんだ、ということを学んでしまったのです。

「どんな人間であろうと、生きていてほしい」

「最悪の事態にはなってほしくない」

そんな気持ちで、寒かった冬の日々を過ごしていました。

続きます。

   
 

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