不登校&ひきこもりの物語 最終回です。
長男くんが学校に行かなくなって、自分の部屋にひきもるようになって、とても心配になりました。
このブログにはあまり書いていませんが、彼に対して感情的になったり、怒りをぶつけたこともあります。
心の病を経験していた僕でさえ、(甘えてるだけじゃないのか?)と思ってしまったことも何度もあります。
いつも近い場所にいて、とても近い関係だからこそ、見えなくなるものもあると思います。
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ネットや本には、不登校やひきこもりに関する多くの情報があって、どんな対処をすれば良いかがわからなくなります。
いろいろなアドバイスをもらいましたが、今、思い返してみると、
カウウンセラーさんからの「彼の味方でいてあげてください」
心療内科のお医者さんからの「彼を静かに見守ってあげてください」
というアドバイスが一番良かったのだと思います。
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不登校やひきこもりは、学校などの「外の世界」で傷ついたり、生きづらくなったりすることで起きると思います。
家や家族を「内の世界」だとすれば、彼は「内の世界」に逃げ込んできたのだと言えます。
その「内の世界」で否定されて追い出されてしまったら、「逃げ場」は無くなってしまいます。
なので、子供の味方でいること、静かに見守ってあげること、が一番大切なのだと思います。
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彼らが産まれてくるとき、
「無事に産まれてほしい」
それしか考えていませんでした。
いい学校に入ってほしいとか、立派な人になってほしいとか、世の中で活躍してほしいなんて、これっぽっちも考えませんでした。
ただただもう、生きていてほしい、それだけでした。
子供が産まれてきてくれたときの気持ち、その気持ちを忘れず、子供を追い詰めるようなことはしない。
それが大切なのだと思います。
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僕は、不登校やひきこもりが、悪いことだとは思っていません。
どん底の状態を経験したことは、彼にとってとても貴重な経験だったと思います。
父親である僕も、彼に何事も無ければ、大事な話し合いをしないままだったかも知れません。
この事件をキッカケにして、長男くんと僕の間には、今までに無い会話の量が生まれました。
僕(父)が心を病んで会社を辞めたこと、長男くんの幼少時代からの葛藤、長男くんの親(僕と妻)への想い、僕と妻からの長男くんへの想い、など、、、
いろいろなことを語り合っています。
長男くんが、何の問題も無く高校を卒業して大学に入っていたら、親子でこんな会話はしていなかったかもしれない・・・。
一生、こんな会話をしなかったかもしれない・・・。
そう考えると、今の時間がとても貴重なモノに思えます。
良いことばかりでは無いけど、悪いことばかりでも無い。
何が一番良いことなのかは 今はわからない。
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長男くんは一人暮らしを始め、独り立ちしました。
もう口出しはしません。
もしも「相談したい」とか「アドバイスが欲しい」と言われれば喜んで協力するけれど、僕の方から「こうしろ」とか「ああしろ」とか「こうした方がいい」みたいなことは一切言わないつもりです。
大学の講義に行かなくなってもいいし、大学を中退しちゃってもいいし、就職しなくてもいいし、結婚しなくてもいい。
もうここからは完全に長男くんの世界で長男くんの人生です。
まだ一人の力だけでは生活出来ないから経済的な援助はするけれど、子を育てる親としての役割はもう「おしまい」です。
彼がどんな人生を送るのか、離れたところから見守るだけです。(でもタマには帰って来いよ)
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自分の子供が不調になるとつらいです。苦しいです。とても心配になります。
そんなとき、自分たちだけで悩まずに、周りにも助けを求めた方が良いと思います。
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これで、長男くんの不登校とひきこもりの物語を終わります。
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