日本経済新聞の電子版を見ていたら、気になる見出しを見つけました。
「35年ローンも悪くない 家計安定の住宅購入術」
(え? こんな見出しを日経がつけちゃうの?)
この見出しがついていたのは、以下の記事でした。
(家計の)FCF(フリー・キャッシュ・フロー)10%を確保することを前提とするなら、借入期間を短くすればするほど借入金額が極端に小さくなり、住宅を買える可能性がどんどん低くなります。借入金額を少しでも多くするためには、借入期間35年を選択せざるを得ないということがわかっていただけるでしょう。
「? 住宅を買える可能性が低いなら、購入しないか、もっと安い物件を探す、って考えなきゃいけないんじゃないの?」
教科書に書いてある「借入期間を短くしましょう」というアドバイスを信じるのは危険なことです。
「? 本当にそんなこと言っちゃっていいの?何て名前の教科書か知らないけど、それは教科書の方が正しいんじゃないの?あなたの発言の方が危険なんじゃないの?」
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この記事では、年収別に「ケース1」と「ケース2」に分けて説明していますが、「ケース1」は年収が450万円の家庭、「ケース2」は年収600万円の家庭が、同じ新築戸建の平均取得価格である3637万円の家を買う設定です。
比較しやすいように購入する物件の金額を同じにしているのだろうとは思いますが、年収が低い「ケース1」であれば、購入する物件の金額だって低くなるはずだし、低くするべきです。
「いくら借りられるか?」よりも、「ちゃんと返せるか?」の方が大事だし、そもそも「住宅ローンを借りちゃっていいの?」という観点が抜け落ちています。(住宅ローンを払っている僕が言っても全然説得力ないですけど・・・)
また、「借金の期間が長ければ長くなるほど、返すお金は増えていく」という一番大事なことが書かれていません。
これでは、以前に書いた「そのマンション広告は良くできていました」という記事と同様、大事な所を伏せているだけです。
もしインフレになったら「結果的に長期間の借金で得しちゃった」ってことになるのかもしれないけど、インフレになったら日銀が政策金利を上げるから金利だって上がるはずですよね。
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僕の読み込みが甘いだけかも知れませんが、「ホントにそんなこと言っちゃっていいのかよ?」って思いました。
・こんな記事を載せて、まだお金のリテラシーが低い人が、鵜呑みにしてしまったらどうするんだろう?
・皆が家を買えば経済は回ると信じている一部のアホ政治家の回し者なんじゃないだろうか?
・借金の期間が増えれば増えるほど儲かる金融業の回し者じゃないんだろうか?
なんて疑念が生まれました。
日経、大丈夫か?
コメント
まあローン組む時点でお金がないということだから個人的にはローンはNGだと思います。とは言ってもなかなか住宅を一括で購入できる人は少ないだろうからその中で最善の方法を考えるしかないわけですがやっぱりローン期間は短い方がいいですよね。私は15年ローンで自宅を購入しましたがローンがなくなってからはやはり経済的自由への扉が開いたような気がしました。
クロスパールさん、コメントありがとうございます。
> ローンがなくなってからはやはり経済的自由への扉が開いたような気がしました
よくわかります。ローンを長くすれば日々の生活は楽になるけど経済的自由は遠のいて鎖は取れないんだぞ、という観点がありませんよね。誰もが経済的自由を目指しているわけではないんだろうけど。
おはようございます。毎日お邪魔してすいません。
35年ローンありきで住宅購入するのではなく、ご指摘のとおり「住宅を買える可能性が低いなら、購入しないか、もっと安い物件を探す」が正解です。
12月に2回目の消費税upの判定日が来ます。それまで経済が良いことを示す必要がありますので、国をあげて「消費させよう!」キャンペーンが始まったのです。
あと5年もすれば、材料費と人件費upと円安による物価上昇、金利上昇、税金上昇(携帯電話にかけるという話も)、しかしお給料は上がらないというちょっと大変な時代がくると予想します。私はお気楽な立場で時代の変化を楽しみます。
家事徹夫さん、コメントありがとうございます。
いえいえ、コメント大歓迎です。
この記事もキャンペーンの一環なのでしょうか?日経は少し違うと思ってたんだけどなぁ・・。
バブル華やかな頃、
「大京」だったかのマンションの歌舞伎俳優さんが出ていたテレビCMで90年ローンとかがあったような?
「私の夢を孫に伝える」とか言う恐ろしいキャッチフレーズだったかなぁ?孫にはローンは伝わったけど家は無いなんてオチなのか。
さっきググって見たけど、よくわからなかった。
なかなか商魂たくましいなと・・・
古い記憶なので、曖昧で
いろいろでセカンドライフさん、初めまして。コメントありがとうございます。
90年!そんな夢を伝えられた日にゃ、孫はタマったもんじゃないですね。(^^;)
そもそも数千万円もする買い物をすることが
問題の発端のように感じました
家は数百万円台というのが私自身の相場として確立しています
消費しないピノキオさん、コメントありがとうございます。
ごめんなさい、僕の家は数千万円でした・・。
でも、僕の失敗した部分は次の人にどんどん伝えていきたいと思います。
日経も結局は不動産会社から新聞広告をもらっているし、住宅会社の応援になるような記事を書かざるを得ないこともあるんじゃないですかね。
ちなみに私、過去に新聞記者として働いたこともあります。
はっきりいって広告主とはズブズブですよ。
TVもそれは同じですね、ていうかTVはもっとひどいんだろうけど。
35年ローンとか、個人的には絶対イヤですね。基本的に住宅は買わないか、買うとしても郊外の安いところで1千万くらいで現金一括でしょう。
招き猫の右手さん、初めまして。(初めまして、の気が全くしません(^^;)、いつもブログやコメントを読ませていただいております<(_ _)>)
ですよねぇ。所詮、広告で成り立っている商売ですもんね。
でも、僕にとって日経って思い入れが強い媒体なんですよね。
そうですか。ズブズブですか。勉強になりました。
僕も日経はよく読んでました。経済の勉強になりますよね。あと記者時代は実はお手本の新聞でもありました、見出し、リード文、本文の構成がすばらしいということで。
私のブログ、みてくれたことがあるんですか、ありがとうございます。
35年かー 長すぎるよ~ 「ローンが無いと働く意欲がなくなるぞ!」と言ってた単身赴任歴10年の上司が過去にいました。当時は「そんなもんかー」って思いましたが、そんながんばりはいつまで持つかは誰にも(自分でも)わからないと今は痛感しています。寿命が延びて働く時間も長くなって、強制的に「働く理由」を見つけないと働くことがつらい時代に私たちは生きていますね。私は家内と一生懸命働いて「清貧」しながら頭金を貯めて、なんとかローンは返済しましたが、不動産の税金や管理費、駐車場などで7万円/月も支払っていることを考えると最近は「無駄だなー」とよく思います。持ち家も「5年経ったら満足度も無い」と昔先輩が言っていましたがその通りだと最近思います。私個人的には70歳過ぎたら不動産は売り払って流動資産増やして賃貸暮らしもいいなと思ってます。
ぽんきちさん、コメントありがとうございます。
「ローンが無いと働く意欲がなくなる」に近い言葉を、僕もよく聞きます。「お金が貯まると会社を辞めたくなっちゃうから貯金しない」と言っていた人もいました。
働くための理由を見つけるよりも、働かないための理由を見つける方が、簡単のように思えるし健全だと思うんですけどねぇ。
古い内容にコメすみません。
正吉さんのブログは全部読んだつもりでいましたが・・・まだまだ、見落としたブログがあるようで・・・
上記のネタも、社会の仕組みの矛盾を感じます。
本質的な「幸せ」の概念が違うのだと・・・
ただ、現実的には、どちらが正しいか、正しくないかではなく、
数の多い方が正しいというのが民主主義?とされているので
皆がローンを組むのが「あたりまえ」と言う事なのでしょう。
ニッチな思考は、風当たりが強いですね。
白馬47さん、コメントありがとうございます。
古い記事にコメントをいただき、うれしいです。(^^)
最終的に支払う金額を明かさないで、ローンの期間を長くすることを薦めるなんて、犯罪に近いと思いました。(あ、怒りがまたよみがえってきた。。)(^^;)