『働き方2.0 VS 4.0 -不条理な会社人生から自由になれる- 橘玲著』を読んで考えたこと

僕の好きな「橘玲さん」が次々に本を出すので、読むのが大変です。

前回紹介したのは、『人生は攻略できる』という、若者向けの本でした。

「『自由』とは、イヤなことをイヤだといえること」 -橘玲さん『人生は攻略できる』-

今回読んだのは、『働き方2.0 VS 4.0 -不条理な会社人生から自由になれる-』です。

こちらの書籍は、僕の年代(シニア層に近づく人)、または、サラリーマン向けの本です。

本書では、働き方の変遷を以下のように定義しています。

働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア

安倍政権が進める「働き方改革」とは、働き方1.0を強引に2.0にヴァージョンアップしようとするものです。

これまで日本の「知識人」は、日本型雇用こそが日本人を幸福にしてきたとして、「働き方改革」を推進する「ネオリベ(新自由主義者)」に呪詛の言葉を投げつけてきました。

ところが「真正保守」を自任する安倍首相は「雇用破壊」に邁進し、「私がやっていることは、かなりリベラルなんだよ。国際標準でいえば」と自画自賛しています。

グローバル化、知識社会化・リベラル化する世界のなかで、働き方1.0は目を覆わんばかりの機能不全を起こしています。政権が保守であれリベラルであれ、官民挙げて「改革」しなければどうにもならなくなっているのです。

しかし問題は、働き方2.0を実現したとしても、それではぜんぜん世界の潮流に追いつけないことです。最先端の働き方は、3.0から4.0に向けて大きく変わりつつあるからです。

(中略)

事実(ファクト)を見るかぎり、日本のサラリーマンはむかしもいまもずっと会社を憎んでおり、過労死するほど働いているもののまったく利益をあげていないのです。

本書ではこうした「不愉快な事実」を出発点にして、「日本人の働き方はこれからどうなっていくのか?」「急速に変わりつつある世界でどのように生き延びればいいのか?」を考えていきたいと思います。

相変わらずの「橘節」で、働き方先進国のファクト(事実)を元に、日本の現状や問題点、どうすれば幸せに働けるのか?について書かれています。

多くのファクトやエビデンスが読み物として面白いし、自分に当てはめてみると、「これからどうすれば良いのか」がだんだんと見えてきます。

本書の内容は読んでみてもらうとして、僕が考えたことを書いてみます。

僕が知らなかった事実として、第3章:「会社や管理職はなくなるのか?」に「格差の小さな日本は健康度が高い」ということが挙げられていました。

欧米などでは所得格差が大きく、その格差が大きい国ほど国民の健康度は低くなり、社会問題も多くなっているという事実が紹介されていました。

もちろん日本だって所得格差の拡大は続いているわけだけれど、欧米に比べれば格差は少なくて、その分、健康度や社会問題も欧米ほど甚大ではありません。

それならば、「日本脱出」ばかりを考えずに、日本の良いところはしっかり享受して、美味しいところはちゃんといただいておこう、と思ったのが1点です。

もう1点。

橘さんはこの本以外でも、働き方を大きく3つに分ける考え方をもっていて、

クリエイター(創造する人)
スペシャリスト(専門家)
バックオフィス(事務系)

に分けています。

クリエイターは、会社員ではないし、組織にも属していません。

スペシャリストは、フリーエージェントの場合もあるし、正社員の場合もあります。

バックオフィスは、正規・非正規に限らず、雇用されている人です。

僕はもう50歳代で、バックオフィスの仕事はツライなぁと考えています。

マニュアル通りに仕事をすればよくて責任も無いから、気分的には楽かもしれないけど、(あー、つまんねー)と思いながら働くのはもうちょっとシンドイ。それに「おっさん、全然使えねぇなぁ」なんて若者に言われたら立ち直れません。(^^;)

かといって、今からクリエイターになるのもハードルが高い。(なれそうにないし)(^^;)

なので、フリーなスペシャリストを目指すしかないんだけど、専門性が無いのでこれもツライんですよね。

本書の中で、ザックリと「年収が、クリエイターは数千万円~青天井、スペシャリストは1000万円~3000万円、バックオフィスは300万円~500万円」と書いてありました。

僕の場合は、とりあえず年収が240万円あってイキイキと仕事し続けらればハッピーなんだから、「スペシャリストとして午前中だけ働いて、年収300万円を目指せばいいんじゃないか!」ということに改めて気づきました。

「スペシャリスト」は「専門家」だから「専門」を作らないといけないけど、こんだけ生きてきたんだから、きっと何かしらあるでしょうよ。

まずは、そのヘンを踏まえて今年の計画に組み込んでみようと思いました。

以上です。

(アレ?本の感想でも何でもなくなっちゃった。でも、読書ってそういうもんだよね。)(^^;)

会社で働いていても全然面白くないけど、かといって、退職金もらうまでガマンするのもイヤだ、と考えている人は読むと良いと思います。(^^)

 

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