そのものズバリのタイトルの本書を読みました。
とてもわかりやすかったです。
この本には、専門的な用語がほとんど出てきません。
著者の谷川啓司さんは、がん免疫療法のお医者さんですが、お父様と奥様をがんで亡くされているそうです。
だからこそ、がんを治したいという気持ちを強くもっていて、患者の不安や家族の悩みも理解されています。
患者さんや、そのご家族が、がんの基本的な知識を正しく俯瞰的に得ることは、実際には容易ではありません。
なぜなら、ほとんどの医師は非常に忙しく、患者さんの疑問に十分答える時間がないからです。
その結果、患者は、診断や治療を受けているにもかかわらず、いつまでたっても「がん」という病気について知らないことだらけです。がんとは何か?
なぜ、がんができるのか?
がんのどこが怖いのか?というような、いわば素朴な質問は、患者からはしにくいものです。
しかし、この基本的なところがわからないと、どんな治療法を選ぶにせよ、心からの納得は得られません。まずは、がんについて、しっかり知る。これが大切なのです。
胃がんと診断され、「手術をしますか?やめますか?」と問われていた僕の父も、医師からの詳しい説明が無いことに、憤っていました。
「たったこれだけの情報で何を判断しろというのだ!」と・・。
僕たち家族の病院や医者に対する不信感は、とても大きくなりました。
でも、この本を読んで、自分で判断するためには、ある程度の知識は自分で身につけておかなければいけなかったのかもしれない、と考え始めました。
この本に出てくる「本当につらいのは心の苦しみ」と「免疫療法」の話は、とても参考になりました。
(もっと早く読んでいればよかった)と少し思いましたが、今さらでも読んでよかったです。
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既に、僕の父は胃がんの手術を受けて退院しているのですが、すぐに考えなければいけないことがあります。
父の胃がんは切除しましたが、がん細胞はまだ父の身体に残っているのです。
来年早々に、今後、抗がん剤治療をするかどうかの判断をしなければなりません。
最終的に決めるのは父ですが、判断する材料が乏し過ぎると感じていました。
この本には、抗がん剤治療をするメリットとデメリットについても書かれています。
また、患者を見守る家族の役割についても書かれています。
すぐに、この本を両親に送りました。父は読み始めてくれています。
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