昇進を断ることで何を得ることが出来るのか? を考える前に、
「僕が管理職になりたくない理由」を書きます。
1.管理職にはマネジメントしか出来ない人がいる。
2.給与は上がるけど残業代が無くなり、残業と休日出勤が当たり前になっている人が多い。
3.実務能力が無くなってしまった人がいる。
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1.管理職にはマネジメントしか出来ない人がいる
会議の司会進行や 会議前の根回しがうまい、責任を回避するのが得意、トラブルが起きた時に「手配師」のように人を集める才能がある、などの能力は高いけれど、実務に関しては(?)な人がいます。
『会社は「仲良しクラブ」じゃないんだからオレは嫌われ役に徹するんだ』と公言して、嫌われてるだけの管理職もいます。w(笑いごとではないですが・・)
会社の人間関係だけで生きている人もいます。「オレに話を通せば、決まらない事も決めてやる」「この打ち合わせに必要な人間はアイツとコイツだ」なんて言いながら、自分では何もしない(出来ない)タイプの人。
もちろんマネジメントも実務も出来て尊敬できる上司もいますが、上記の人たちは会社が倒産したらどうするのかな?と思ってしまいます。
2.給与は上がるけど残業代が無くなり、残業と休日出勤が当たり前になっている人が多い。
管理職になって非組合員になると給与は跳ね上がります。
「え!そんなに一気に上がるの?」というくらい上がると知ってビックリしました。
非組合員になると残業代がつかなくなります。労働基準法でどのように決められているかは知りませんが、建前はともかく、管理職に残業代がつくということを聞いたことがありません。
(給与が一気に上がるんだから、残業代なんて無くてもいいでしょ)
(部下に作業を振れるんだから、残業なんてしなくていいでしょ)
と考えられますし、周りからそう思われることも多いでしょう。
でも、残業・休日出勤・仕事の持ち帰りが当たり前になっている管理職が多いです。
また、ほとんどの管理職が有給休暇を全く消化できていません。
例えば、
僕の直属の課長はかなり残業をしています。
残業にも付き合ってくれたりします。
「オレに出来ることがあれば手伝うぞ」と言ってくれます。
自分が振った仕事を丸投げしません(丸投げ出来ないタイプなのです)。
僕は、課長を「人間として正しい」と思います。
(でも、他の仕事で忙しいのだから帰って休めばいいのに、とは思います)
「残業代が出ないんだから残業なんてしないで帰る」
正論です。
でも、そうは出来ないように仕組まれているのです。
高い給料をもらい始めた中間管理職は、マネジメントも実務もこなさなければならないのです。
「徹底的に仕事を効率化して、定時内に仕事を終わらせて帰ればいい」
正論です。
でも「残業が100時間/月を超えてしまってます・・」なんてこぼしている部下がいたら、上司だけが残業無し、なんて難しいです。
3.実務能力が無くなってしまった人がいる。
ものすごく仕事が出来た人だったのに、管理職になって会議や調整ばかりが増え、最新の技術動向についていけなくなった人がいました。
「技術者なんだから技術スキルを落としてはならない」と主張していた先輩です。
その人と会議をしていても、まるで「評論家」のようになってしまっていて、具体的に突っ込んだ話が出来なくなっていました。
転職の面接で、「あなたは前の会社でどんな仕事をしていましたか?」と聞かれて、
「部長をしていました」
と答えた、という笑えない話があります。
会社の外に出たときに、語ることが出来る知識やスキルが無いことは恐ろしいことだと思います。
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管理職になることについて考えるとデメリットが多い気がします。
僕にとって管理職になるメリットは、
1.年功序列の型を崩さずに済むので会社の期待に応えられること(変人扱いされて会社に いづらくなったりしないこと)
2.給与が上がること
です。
「リーダーになることで人格が磨かれる」とか「責任感が強くなる」などのメリットがあるのかもしれませんが、僕にとってはデメリットの方がはるかに大きいです。
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前置きが長くなりましたが、、
では、管理職への昇進を失ったヒラ社員が何を得るのか?
これがこの話の結論なのにうまく言えないのですが、
僕は「しがらみが少なくなって、自分の時間を多く持てること」が得られるのではないかなと思っています。
この「自分の時間」とは、「市場(マーケット)で自分を売る力(知識・スキル)」をつけるための時間です。
「自分を売る」と言うと「転職するの?」と思われてしまうかもしれません。でも そうではありません。(マネジメント能力の無い40代後半の僕を雇ってくれる会社なんて無いでしょうし・・)
「現在勤めている会社」という小さな箱ではなくて、今日本を苦しめている「グローバル化で開かれた市場(大きなマーケット)」で、自分は「売れるもの(知識・スキル・商品)を何か持っているかなぁ?」と考える時間。
この時間を得て、力をつけることが大切なんじゃないかなぁ、と思い始めています。
たとえば、今始めているのは、この「ブログを書くこと」です。ブログの記事を書くために本を読んだり調べたり、ブログをカッコよくするためにWordPressの使い方を覚えたりしてます。
とても小さい一歩ですけど。。
コメント
はじめまして
自分の時間を多く持てること 私もそう思います
時間という物理的なものだけでなく
ゆとりや考える余裕も得られると思います
レールの先に何があるのか みんな不安だけど
とりあえず走っているんだと思います
消費しないピノキオ様
はじめまして。コメントをいただきありがとうございます。
ブログを運営していると こういううれしいことが起きるのですね。
実は5月末から消費しないピノキオさんのブログを欠かさず読んでいました。プロフィールを読んで「あ、オレもこういう感じで生きて行きたいんだよな~」と感じたのを覚えています。
「自分の時間」について同意いただけたということは、同じ方向に向かって行けているということなのかな?
とてもうれしいコメントをありがとうございました。
嬉しい言葉ありがとうございました
残念ながら正吉さんのような前へ進むエネルギー
今は失いつつあります
消費を減らし労働時間を減らし、その先に何があるのか
時の流れに身を任せ、思いついたことをしたいと思っています
正吉さんは来年 退職予定なんですか
管理だけする管理職なんて仕事 存在意義はないから
間違いなく淘汰されると思います
消費しないピノキオ様
コメントありがとうございます。
前へ進むエネルギーというよりは、後ろに下がるために生活費を何とかしないと、という感じです。
来年退職する、と決めないと何も進まないので決めました。家族は皆大反対ですけどね。自分の人生なので。
「管理だけする管理職」は実際には いないのかもしれません。(多くはプレイング&マネージャーなので)でも、偉くなればなるほど管理仕事の比率は上がるのでやっぱり会社員でいることはリスクかなぁと。
正吉さん、はじめまして。
私は40歳まであとちょっと、妻と未就学児2人を養うSEです。私も20代で2度心を壊してしまい、それから仕事とはある程度距離を置いて付き合っています。就業時間中は目一杯働いて無駄な残業は一切せず、毎日定時きっかりに上がる毎日。そんな私は会社の中でもちょっと浮いており、「変わった人」と見られているのをひしひしと感じていますが、それでも後ろ指を差されるようなことはしていないと開き直って何とか乗り切っています。
そんな私も30代半ばから管理職にならないかという声がかかるようになりました。心が壊れる前ならそれも魅力的に映りましたが、今では管理職には自分は向かないし、無理をすることでせっかく何とか保っている生活のバランスが崩れてしまうのが怖くて、ずっと断り続けています。人には向き不向きというのがあるので、何が何でも管理職にならないとダメだというわけではないというのが私の考えです。現に私と同年代の社員が何人か管理職になっていますが、よくやっている人もいれば、全然管理職としての職責を果たせずに自分もまわりも苦労している人もいます。そういう人は自分も不幸だし、その下につく部下も不幸だし、結果会社も不幸だし、何もいいことはないなと思いますが、本人に聞くと「もっと頑張らないと…」と何か強迫観念にでも取り憑かれているかのような感じで、「あぁ、これは自分には無理だな」と改めて思う次第です。
正吉さんは今年で会社をお辞めになると決心したとのこと。これからもブログを覗かせていただきたいと思います。
kageさん、初めまして。コメントありがとうございます。
kageさんの働き方こそが正しいと思います。管理職の件も無理をするよりも、断ることが正しいと思います。
でも、組織によってはどちらも許されない場合がありますよね。辛いし苦しいですね。
僕もガマンしてもう少しうまく立ち回ることが出来ればよかったのですが、ダメでした。
僕のこれからを応援していただけるとウレシイです。(^^)
数記事拝見させていただきました。
「管理職」になる事は僕は仕事に対する「楽しさ」を奪われているような気がしてなりません。
実際に僕も現在「管理職」ぼ立場にありますが本っっ当に仕事が面白くないです(笑)
また訪問させてくださいー^^
のんべえさん、コメントありがとうございます。
のんべえさんは管理職なのですね。僕は経営側に行く経験を持たないまま会社を辞めることになりました。期間限定で管理職になれるのであれば、一度はなってみたかったかも。。(^^;)