「そして父になる」という映画のDVDを借りて観ました。
ネタバレになるといけないので、これから観ようとしている方はサーっと流してくださいね。
大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多(福山雅治)。ある日、産院からの電話で、6歳になる息子が取り違えられた他人の子だと判明する。妻のみどり(尾野真千子)は気づかなかった自分を責め、一方良多は、優しすぎる息子に抱いていた不満の意味を知る。良多は、相手方の家族と戸惑いながらも交流を始めるが、群馬で小さな電気店を営む斎木雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木ようこ)夫婦の粗野な言動が気に入らない。過去取り違え事件では100%血のつながりをとるというが、息子に一心な愛情を注いできたみどりと、温かでにぎやかな家族を築いてきた斎木夫婦は、育てた子を手放すことに苦しむ。早い方がいいという良多の意見で、ついに“交換”が決まるが、そこから、良多の本当の“父”としての葛藤が始まる―。
映画を観ながら「血のつながりって何だろう?」とずっと考えていました。
泣き所がたくさんあって、妻と一緒にボロボロ泣きながら観てしまいました。
とても重い内容ですが、すごく良い映画でした。
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この映画の中で、エリートでない父Aとエリートの父Bの口論があります。(セリフはイメージです)
父A:「もっと子供と遊ぶ時間を作らないと」
父B:「僕にしかできない仕事があるんです」
父A:「父親だって代わりのきかない仕事だろ」
僕はエリートではなかったですが、「自分にしかできない仕事がある」とは思っていました。「それに関することはオレに任せておけよ」と言いたい思いがありました。
「自分にしかできない仕事だから」
それを会社での自分の存在意義にしているような人もいました。
自分の得意分野に自分以外の人を入れさせずに守ろうとしている人もいました。
僕にはそういった意識は希薄だったけれど、そういう気持ちをもつことで自分の仕事を守ったり、自分の存在意義を認めてもらうことが組織や集団の中では必要なのかも知れないとは思っていました。
進化の歴史の中で、「自分の得意なことで集団の中で信頼を得る」「キャラを立てて自分を誇示する」ことが、異性を獲得して自分の遺伝子を残すためには必要なことだったのだろうと思うのです。
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世の会社員にとって「家族を守るために会社の仕事をする」という意識が、多かれ少なかれあると思います。
会社の仕事を続けていくには、自分の得意分野や、自分にしかできない仕事がある方が有利だと思います。
でも自分の立場を守るために必死になって、自分の人生の立ち位置を見失ってしまっては本末転倒になってしまいます。
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あまり強く意識しているわけではありませんが、僕は今、子供のために割けなかった時間を取り返すように子供たちに絡んでいます。
ゲームを一緒にやったり、学校や病院の送り迎えの役を買って出たり、話し合ったりしています。
子供たちからしてみると、「会社にいかなくなってから、父はやたらに絡んでくるな、ちょっとウザイくらいだな」と思っているかもしれません。
でも、それでもいいと思っています。
たとえ僕の自己満足でも、子供が自立してしまったら僕の入り込む余地はほとんどなくなってしまうだろうから、今のうちに空いているすき間に入り込んで、おせっかいをしておきたいのです。
それはきっと僕にしかできない仕事だと思うのです。
コメント
映画観ました。
私の父は私が幼少の頃に亡くなり、私自身も独身で父親が
どういうものなのか、どうあるべきかはわかりません。
かわりに母は五つぐらい仕事を掛け持ちし、土日も働いて三人の子育てをしてきました。今も70を超えていますが二つのアルバイトを掛け持ちしています。
私が子供なら迷わず福山さん家がいいですねだってレクサス乗りたいしw
MUDMANさん、コメントありがとうございます。
僕も、自分が父としてどうあるべきかはいつもとても迷います。わからないまま進んでいる感じです。
お母様はすばらしいですね。