昨日の夕方、テレビのニュース番組を、夫婦でそれぞれ違うことをしながら、なんとなく見ていた。
経団連が29日公表した大手企業の2015年夏のボーナス1次集計によると、平均の妥結額は昨年夏に比べ2.43%増え91万3106円だった。3年連続で伸びた。昨夏に比べて伸び率は鈍ったが、金額は7年ぶりに90万円台に乗せてリーマン・ショック前の水準に迫る。円安を追い風に製造業で好業績が相次いでおり、支給額を積み増す動きが広がっている。
「夏ボーナス7年ぶり90万円台」
というニュースが流れた。
妻の斜め後ろに座っていた僕は、それとなく妻の反応を窺ってしまった。
「これで消費が回復することを願いたいですね」というアナウンサーのアホっぽい一言を聞き終えた妻は、「ふう」と一息ついて、「晩ゴハン何にしようかな?」とキッチンに移動して行った。
「あーあ、正吉が会社辞めなければ、もうすぐ90万円入ったのになぁ」
とか、
「もう二度とボーナスが我が家に入ることなんて、ないんだろうなぁ」
なんて言われたら、すぐにケンカが始まって、リビングが戦場になるんだろうけど、
よくできた妻は、何事も無かったように、スルっと家事に没頭し始めた。
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会社勤めをすることに疑問を感じ始めた30代後半くらいの頃、
給料やボーナスが銀行に振り込まれた後、住宅ローンや生活費によって残高だけが消えていくことに、僕は不満を感じ始めた。
働いていて得たお金を見ることも無く、1年でトータルすると、貯金したお金以外はプラマイゼロで消えていく感覚がとてもイヤだったのだ。
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なので、年2回のボーナスの時だけは、妻に銀行から現金を引き出してもらって、封筒に入れて渡してもらった。
ボーナスの明細とボーナスの金額が合っているかを、家族全員の前で僕が一枚一枚数えて確認し、その場で、
僕のおこづかい・妻のおこづかい・息子くんたちのおこづかいに振り分けて、残りのお金を妻に渡していた。
お金の価値がよくわからなかった子供たちも、その時は、「お金いっぱいあるね」と笑ったりしていた。
「ボーナス進呈の儀式」(なんて名前はつけてなかったけど)は、それからずっと続けていた。
最近では、子供の前でやることはなくなったけど、現金を確認してから手渡しすることは続けていた。
その行為は、とても小さい(泣)「父の威厳」を守るためにも機能していたし、「家族が生きるためのお金を得るためにオレは働いているんだ」と自分自身を納得させるための行為でもあった。
(妻はとても面倒がっていたけど)(^^;)
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人生の後半戦、雇われて働くことは、もうイイヤと考えているし、あきらめてもいるので、今後僕がボーナスをもらうことは無いと思う。
今のところ、会社を辞めたことを後悔する気持ちは全く無いんだけど、「ボーナス進呈の儀式」が出来なくなったことは、少しだけ残念なことではあるなぁ、とニュースを眺めながらボンヤリと考えていた。
コメント
僕もこないだボーナスの記事書きました。
これのせいで辞めるタイミングが計りづらいですよね、あとちょっと待ったらボーナスだから、とかそれをやり過ごしたら、また次のボーナスが、となるし。。。
辞めるならどっかで区切りをつけざるをえないでしょう。
僕もいずれ辞めるときが来るわけですが、奥さんと居るときに正社員の給料なんかの話はできるだけしないようにします。
招き猫の右手さん、コメントありがとうございます。
ボーナスの査定時期と支給時期を考えると、辞める時期を検討するのが面倒ですよね。
確かに、それが抑止力になっているのかもしれないですね。
奥さんとは支出の話しかしなくなりました。(^^;)
私の会社はリーマンショック以降ボーナスが激減しまして毎年夏の賞与は10万くらいかな
その点は退職しやすくなっておりますw
今年の秋ごろにリタイア予定です。
MUDMANさん、コメントありがとうございます。
おぉ、秋ごろですか。経過報告をお待ちしております。