妻がインフルエンザにかかり3日間寝込みました。
週末、僕は買い物や家事、子供の送り迎えをしてフォローしました。
月曜日の朝になって「パートに行く」と妻が言い出しました。
まだフラフラしているのにです。熱が下がってから2日経っているので行けるというのです。
「月末に休んでしまったから、月初には休めない」と言っていました。
その日のパート代のためではありません。月初に休むことで人間関係が悪くなるのがイヤなのでしょう。でも、人間関係のしがらみを作らないようにするのは、パートで仕事を続けるため、ひいてはお金のためです。そのために、病み上がりの体にムチ打って仕事に行くのです。
僕は「そんなこと言わずに休んでくれよ」と言いましたが、結局、妻は仕事に行きました。
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僕が帰ってくると、妻はグッタリとした様子で料理をしていました。
「仕事が終わらなくてサービス残業しちゃった・・」と言っていました。
僕は妻にねぎらいの言葉をかけて、自分の部屋に着替えに行きました。
ベッドに座って、ため息をつきました。
何とも言えない気持ちになりました。
そのとき僕は「絶対に自由になろう」と強く思いました。
僕が自由になって「妻にも自由になってもらおう」と思いました。
時間、お金、制約、しがらみ、すべてのことから解放されて自由になるように本気で考えよう、と思いました。
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今までが本気で無かったわけではないですが、強く一筋に思っている、というほどではなかった気がします。
「絶対に、何が何でも、自由を勝ち取ってやる」という気持ちまでにはなっていなかったと思います。
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京セラ名誉会長の稲森和夫さんの著書「生き方」にこんな一節がありました。
もう40年以上も前、松下幸之助さんの講演をはじめて聴いたときのことでした。当時の松下さんは、まだ後年ほどには神格化されておられないころで、私も会社を始めたばかりの、無名な中小企業の経営者にすぎませんでした。
そこで松下さんは有名なダム経営の話をされた。ダムを持たない川というのは大雨が降れば大木が出て洪水を起こす一方、日照りが続けば水が枯れて水不足を生じてしまう。だからダムをつくって水をため、天候や環境に左右されることなく水量をつねに一定にコントロールする。経営も景気のよいときこそ景気の悪いときに備えて蓄えをしておく、そういう余裕のある経営をすべきだという話をされたのです。やがて講演が終わって質疑応答の時間になったとき、一人の男性が立ち、こう不満をぶつけました。
「ダム式経営ができれば、たしかに理想です。しかし現実にはそれができない。どうしたらそれができるのか、その方法を教えてくれないことには話にならないじゃないですか」
これに対し、松下さんはその温和な顔に苦笑を浮かべて、しばらくだまっておられました。それからポツリと「そんな方法は私も知りませんのや。知りませんけども、ダムをつくろうと思わんとあきまへんなあ」とつぶやかれたのです。今度は会場に失笑が広がりました。答えになったとも思えない松下さんの言葉に、ほとんどの人は失望したようでした。
しかし私は失笑もしなければ失望もしませんでした。それどころか、体に電流が走るような大きな衝撃を受けて、なかば茫然と顔色を失っていました。松下さんのその言葉は、私にとても重要な真理をつきつけていると思えたからです。
心が呼ばなければ、やり方も見えてこないし、成功も近づいてこない。だからまず強くしっかりと願望すること重要である。そうすればその思いが起点となって、最後にはかならず成就する。だれの人生もその人が心に描いたとおりのものである。思いはいわば種であり、人生という根を張り、幹を伸ばし、花を咲かせ、実をつけるための、もっとも最初の、そしてもっとも重要な要因なのである - 。
願望を成就につなげるためには、並みに思ったのではダメです。「すさまじく思う」ことが大切。漠然と「そうできればいいな」と思う生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思いつづけ、考え抜く。頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに「思い」が流れる。それほどまでひたむきに、強く一筋に思うこと。そのことが、物事を成就させる原動力となるのです。
稲森さんは、自分の考えがまさか「会社を辞めて自由になりたい男」に響いてしまうとは思わなかったかもしれません。
そういう趣旨で書かれたことではないのかもしれません。
でも、僕は自分の思いをかなえるために、この一節を忘れずに進みたいと思います。
コメント
強い願望がはじめの一歩
稲盛さんも松下さんもいいですね
正吉さん同様、私もダム家計を目指してリタイア邁進中です
消費しないピノキオさん
強く願えば叶う。でもこの気持ちを持ち続けるのが難しいです。邁進せねば。