1-4.ウツだった日々
独身時代、学校を卒業してからは、サラリーマン生活を順調にこなしつつ 時が過ぎていった。
元々、物欲があまり無い人間だったので お金は十分足りていたし、自宅から通っていたから生活に困るということもなかった。
幸いにも両親が元気であり、まだ養う家族もいなかった。
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27歳の時、ずっと前からの夢だった青年海外協力隊の試験を受けてみたら合格することが出来た。
2年間をアフリカで過ごすことが出来た。
究極の田舎暮らしだ。
アフリカでの生活は別の機会に詳しく書きたいと思う。
辛いこともたくさんあったが、とても良い経験が出来た。
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アフリカの広い空の下での2年間を終えてみたら、、、帰国後、「逆カルチャーショック」が僕を襲った。
ギューギューの満員電車。
コンクリートだらけの街。
セカセカと歩いていく人たち。
他人を気にしない人たち。
冷たい目。
小さくて暗い空。
(この場所は住みづらいな)と思った。
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もうひとつの逆カルチャーショックは仕事。
3年前までは、ホスト・コンピューター、オフィス・コンピューターが主流だったのに、みんなパソコンに変わってしまった。
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慣れないWindowsの操作。
ワークスタイルも変わった。
一緒に働くヒトも変わった。
上司も変わった。
お客さんも変わった。
何もかもが変わり、精神的に疲れが出てきた。
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朝起きても、会社に行くことがツラくなった。
仕事も休みがちになってしまった。
アパートから外に出ず、引きこもる日もあった。
何に対しても興味がなくなり、ぼーっとテレビを見ることが多くなった。
笑うことが少なくなり、妻も心配するようになってきた。
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(おかしい・・・)
気力がわかなくなってしまったので、精神科の病院に行くことにした。
「軽いウツ病です」
と診断された。
抗ウツ剤を飲んだが、あまり効き目がなかった。
治してくれる病院を求めて、精神科と心療内科の病院をハシゴするようになった。
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4軒目の病院で、精神科の先生に
「あなたは、本当は自分のやりたいことが見えているのに、それを実行できないと思っているだけじゃないですか?」
「自分がこれからどうしたいのか、会社を休んで考えてみてください」
とアドバイスをもらった。
強烈なアドバイスだった。
自分を誤魔化し続けていると、本当に取り返しのつかないことになると気づいた。
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診断書をもらい、会社を1ヵ月休職した。
その間は、不思議と精神的にとても楽だった。
一人で街をぶらついたり、公園を散歩したりしていろいろ考えた。
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(今、オレのやりたいことは田舎に住むことだ)
(いろいろなシガラミがあって、それを実現できそうにない)
(でも、こんな生活を続けていて幸せになれるのか?)
(事実、家族や仲間に迷惑をかけてるじゃないか)
(オレ自身も、全然幸せではないじゃないか)
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今の場所に、今の会社にいてはダメだ。
もう、都会にしがみつくのはやめよう。
無理せず、出来る仕事をしよう。
住みたい場所に行ってみよう。
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そして、田舎暮らしをすることを決心した。
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ずーっと前に僕が別サイトに書いていた記事を再掲しています。1990年~2005年くらいの話です。
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#早期退職
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